
- 2021年6月30日
コンサルティングセールス
コンサルティングセールス。 その名の通りコンサルティングによってクライアントのニーズを洗い出し、そこに適切な商材を販売する営業手法です。 我々IFAのビジネスというのはまさにこれに該当するものと考えます。 もちろんコンサルティングセールスを一定以上のレベルで行うためには営業力のみならず顧客の本音を引き出すヒアリング能力や市場の動向を探るマーケティング能力および自身が取り扱う商材以上の幅広い商品知識など求められる要素が多く存在します。 しかし実際に日本のクライアントをターゲットとしている海外のIFAの多くはセールスの大半を紹介者と呼ばれる方たちに丸投げしてしまっている実情があり、彼らの中には優秀なセールスマンも多く含まれるものと思いますがあくまでもそれはセールスに特化したものでありコンサルティングを伴わないものとなっていることがほとんどであると考えます。 あまたいる紹介者の中には金融の資格や知識など全く持ち合わせていない方々も多く存在しており、彼らがターゲットにしているのはさらに知識のない法律的に言えば善意のクライアントなのです。この問題の根幹は日

- 2021年6月28日
ポートフォリオを考える
金融におけるポートフォリオとは、資産の振り分けであったりプライベートポートフォリオボンド(PPB)や各種積立プラン(積立NISAやオフショアセービングプラン)などの特定商品のみに関する資産の配分ということになります。 今回は前者、自分のトータル資産に関するポートフォリオということで考えていきたいと思います。 よくポートフォリオについて相談をしたいという依頼があるのですが、まずはご自身の資産をしっかりと把握することから始まります。 特に日本の方でこれから投資を考えていこうという方は年金や各種保険など以外の資産はほとんど日本円(現預金や定期預金)のみという方が多いので把握は簡単なのですが、証券会社などを通じて投資をしている方、暗号通貨などのその他資産を保有している方はそのあたりもまずはしっかりと洗い出してあげてください。 その中で緊急でない資金(ざっと1年以上使う予定のないもの)が実際の投資原資となります。 もちろん現在のものだけでなく収入から支出を差し引いた毎月の余剰資金も将来の投資原資です。 後者については、積立タイプの投資に充てるのがよいでしょ

- 2021年6月22日
投資に必要なメンタルとは?
今日はメンタル、特に投資に関してのメンタルのお話し。 投資、投機、ギャンブルをはじめとしたお金を使ってお金を生み出そうとする行為には強いメンタルが求められます。 はじめにギャンブルまで含みましたが、私からすると必要なメンタルは投資もギャンブルもさほど変わりません。 常に冷静な精神のもと押し引きを考える、ただそれだけのことです。 しかし常に冷静な精神を保つためには強靭なメンタルのみならず資金力などの別要因も必要となってくることでしょう。 投資対象は異なれど常に自分で決めることができるのは、やるかやらないか、やるとしたらその投資金額ということになります。結果は自分ではどうしようもないケースが多いですが上の二つだけは常に例外なのです。 ではその押し引きを決める際に何を重視するのか、単純に自分のメンタルが耐えれるかどうかだと思います。 例えば海外投資は当然のことながら自分の資産を自国から切り離して運用するものですが投資の結果以前に自分から離れた場所においておくこと自体が耐えられないと考える人もたくさんいます。 人の思考はいい加減なもので見たくないものは見

- 2021年6月18日
キャピタルフライトの今と昔
10年ほど前まではキャピタルフライトの方法といえば、現金をもって飛行機に乗り海外の銀行に預金をするところから始まることが一般的だったように思います。 それこそ当時は香港の金融機関などでもなんの証明書もない億円単位の現金をその場で預かってくれたものです。 しかしその後、金融機関に対するマネーロンダリング対策などが厳しく義務付けられたことによって引き出した預金通帳などの出処証明のない現金の入金は大きく制限されることになります。 現在はそれに加えてコロナでそもそも海外への渡航が大幅に制限されており図らずとも現金の海外への持ち出しが制限を受けるといった状況になっています。 ではこのような状況下で資金を海外に移転する便利な方法はないのかというと、実際には存在します。 以前からあった一つの方法としては海外の積立商品などをクレジットカードで決済することによって中長期にわたり資産移転を行いながら資産形成を行うというものです。 海外積立商品においてあまりフォーカスされてこなかった隠れたメリットといえるかもしれません。 またそれ以外にもここ数年は香港の保険商品で一括

- 2021年6月16日
香港の金融センターとしての現在地
香港で国家安全維持法が制定されてからはや一年が経過しました。 香港の金融機関に所属する私のところにも香港の現状や今後について多く質問が寄せられています。 日本国内のニュースにおいては政治的な観点における報道ばかりがされているため、香港の金融センターとしての立場はすでにないなどといったネガティブな印象をお持ちの方が多いように見受けられます。 では実際に第三者機関からは現在の香港は金融センターとしてどのような評価を受けているのでしょうか? 上記は今年3月に英国のシンクタンクZ/Yenグループの発表した世界金融センター指数ランキングです。 「世界金融センター指数(GFCI)」は2007年3月に始まり1年に2回発表されます。今回は第29回目で、世界114都市を対象に「世界銀行、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)、経済協力開発機構(OECD)、国連」などの定量データに基づきランク付けされています。世界各国の関係者10,774 人へのアンケート調査も実施されており、評価に含まれています。 さて問題の香港のランキングはどうなっているかというと、

- 2021年6月15日
オフショア一括投資商品(RL Oracle,ITA Platinumなど)
オフショアで一括投資を検討する場合の選択肢はサンライフ、FTライフなどの生命保険会社の商品、RLやITAなどのポートフォリオ管理型の商品など様々存在するが、今回はRLやITAなどのポートフォリオ管理型について書きたいと思う。 具体的にはRL社オラクルとITA社プラチナプランである。 さらにプラチナプランについてはプラチナセレクトと10万ドルを最低投資額としているプラチナプラスに分類される。 プラチナセレクトとオラクルについては、手数料体系にもさほど違いがないので会社の好き嫌いやファンドリストのラインナップ、日本語でのアカウントサービスの提供などにより選択すればよいかと思うが、10万ドル以上であればプラチナプラスをおすすめする。 通常、この手の商品においてはプラットフォームの基本手数料として投資額に対して8%程度が5年程度かけて徴収される仕組みとなっている。5年未満での解約となると差し引かれていない手数料分が解約手数料となる。 しかしプラチナプラスにおいてはこのプラットフォームの基本手数料が設定されていないため(連動する解約手数料もなし)、非常に当

- 2021年6月4日
ユニバーサルライフであればケイマン諸島籍のパンアメリカン
じゅうぶん 昨今、海外への渡航が厳しく規制されているため10億円レベルの高額な死亡保障に加入される際の選択肢であった米国系保険会社の提供するユニバーサルライフ商品の加入が実質的に不可能になって久しい。 では現在のところ日本居住者がユニバーサルライフに全く加入できないというとそうでもないのだ。 取り扱っているところは少ないがタイトルのケイマン島のパンアメリカンライフがサンライフ等同様に香港信託を利用して加入できる。 個人的には現在健康診断などで海外渡航を必要としないポイントを加味しても、1億円程度の死亡保障であればサンライフのライフブリリアンス、3億円までであれば同サンライフのジェネレーションズⅡ、それ以上となればパンアメリカンライフのユニバーサルライフを選択することになると思う。

- 2021年6月3日
サンライフ社生命保険とCOVID-19
サンライフ社の生命保険にはライフブリリアンスやジェネレーションズⅡといった主目的を死亡保障とする商品があるが、これらは死亡保障額が一定金額未満であれば告知のみで申し込みのできる範囲(Non-medical Limit)が存在する。 年齢にもよるがその範囲は日本国内の生命保険と比較しても非常に大きいため(ライフブリリアンスでUSD1.5M、ジェネレーションズⅡでUSD3M)煩わしい健康診断などを回避して加入することができやすくなっている。 では昨今流行しているCovid-19に対して現在保険会社がどのような対応をとっているかというと、申込書上での告知は必要としているが実際に告知した結果、アンダーライティングによって承認され加入ができた例というのはないようである。 新しいウィルスであるがゆえに罹患後の心身への影響が不明であるということであろう。 また告知の必要のない運用目的の商品であるビクトリーやヴィジョンについては関係ないことを付け加えておこうと思う。

- 2021年6月1日
ドミニオンキャピタルストラテジー(Dominion Capital Strategies)の積立プランマイセービングストラテジー
これから日本市場においてもよく聞くことになりそうなドミニオンキャピタルストラテジー社の積立プランマイセービングストラテジーについて書いてみたいと思う。 ドミニオンキャピタルストラテジー社はタックスヘイブンであるガーンジー島に2017年に設立(ガーンジー島での認可は翌2018年)された会社である。 新しい会社といえるが、ドミニオングループというファンド会社が2004年からあり、そのグループ会社となっている。 そしてこの積立商品、一般的な海外の積立プランと比較してポートフォリオ構成銘柄が自社のドミニオンファンドであったり、インベスターズトラストなどと同様オンラインプラットフォームを導入することにより手数料を引き下げたものとなっている。 手数料は数字上非常に明確にブローシャーに記載されているのだが実質的にどのようにプランから差し引かれていくのかがわかりにくい。 実際にはその他の積立商品と同様、当初2年間の積立金額の一部が初期ユニットに配分されそれを設定期間中満期までに手数料として排出していく仕組みとなっている。 途中解約や引き出し、減額、積立の一時停止